CONFERENCE

アジア・オセアニア国際アンチ・ドーピングセミナー2019

主催

2019年9月24~25日、アジア・オセアニア国際アンチ・ドーピングセミナーを東京で開催。アジア・オセアニア地域を中心に31の国と地域から49名が参加。セミナーに先立ち、9月23日には日本国政府のホストで世界アンチ・ドーピング機構(WADA)の常任理事会が東京で開催され、WADAの常任理事、WADAディレクターらも多く参加し、グローバナルなアンチ・ドーピング・ムーブメントの動向のプレゼンテーション、実務的なグループディスカッション等を行った。クリーンでフェアなスポーツを創るために、アスリート一人一人が果たす役割等についても、パネルデスカッションが 行われた。9月26日には、東南アジア地域におけるキャパシティ・ディベロップメントのため、ワークショップ形式でミーティングを行った。

後援:
・外務省
・独立行政法人日本スポーツ振興センター
・Institute of National Anti-Doping Organisations (iNADO)         

協力:
・公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会

DAY
01 AM

アジア地域におけるWADAと日本国政府のパートナーシップ宣言署名式

Sir. Craig Reedie WADA会長と鈴木大地スポーツ庁長官により、WADAと日本国政府におけるパートナーシップを継続するための調印式が行われた。WADAと協働し、アジア地域におけるアンチ・ドーピングのキャパシティ・ディベロップメントの推進に日本政府として寄与することが宣言された。
Sir. Craig Reedie WADA会長より、クリーンでフェアなスポーツが発展を目指すため、アジア・オセアニア地域内のみならず、国際競技連盟(IF)とのパートナーシップ推進など、継続的な日本国政府とJADAの活動に対する謝意が述べられた。鈴木長官からは、2018年12月の国際セミナーでローンチした、"i-PLAY TRUE Relay" プロジェクトを通して東京2020に向けたクリーンでフェアなスポーツを創るためのレガシープロジェクトの進捗報告も行われ、世界のトップアスリートや一般の方のTRUTHメッセージを活用した動画も紹介された。
また、日本スポーツフェアネス推進機構の河野一郎理事長より、これまでの長きに渡るグローバルなアンチ・ドーピング・ムーブメントへの貢献について感謝の意を込めて、Sir. Craig Reedie WADA会長に対して「Fairness Crystal Award」が進呈された 。

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DAY
01 PM

Tokyo2020に向けたアスリートのリーダーシップによるレガシー創出と、世界アンチ・ドーピング規程及びアンチ・ドーピングに係るアスリート権利章典の導入

鈴木大地長官、Witold Banka次期WADA会長、Yang Yang次期WADA副会長、Danka Bartekova WADA常任理事/WADA・IOCアスリート委員、藤田征樹JADAアスリート委員をパネリストに迎え、Canadian Centre for Ethics in Sportの初代会長であるProf. Roger Jackson氏(1964年東京オリンピック金メダリスト)によるモデレートでアスリートがリーダーシップを発揮することによるレガシーの創出についてパネルディスカッションを行った。Banka次期WADA会長より、「アスリートの意見を効果的に取り入れ、アスリートが組織の"decision-making" に関わっていくことの重要性」について触れられた。パネルの最後に各自が信じる<スポーツの真なる価値>についても、強いメッセージと共に紹介された。

2021年に施行される改訂版の世界アンチ・ドーピング規程や新たに制定される国際基準の最新の準備状況について、各分野の責任者であるWADAディレクターたちよりプレゼンテーションが行われ、その内容に基づき、より具体的で実務的な内容に関するブレークアウトセッションを行った。

DAY
02

NADO - RADO - 国際競技連盟間のパートナーシップ推進を通し、
クリーンなスポーツ環境を整える

Witold Banka次期WADA会長より、アンチ・ドーピング機関(ADO)間のネットワークやより密な連携の重要性、「アンチ・ドーピング・ソリダリティ基金」設立のアイディア紹介など、今後の方向性についてプレゼンテーションがされた。JADAがクリーンスポーツのパートナーシップを推進している事例として、イエメンでのスポーツの価値を通した社会構築、東南アジア地域アンチ・ドーピング機構(SEARADO)と当該地域のアンチ・ドーピング活動発展、オセアニア地域における最大の地域総合競技大会であるPacific Games 2019 でのアクティベーション、そして国内で開催される国際競技大会を活用した国際競技連盟(IF)および国内競技連盟(NF)との連携事例について、具体的に事例を各ステークホルダーを交えて紹介した。

また、日本・中国・韓国の三か国で連携してアジア・オセアニア地域におけるアンチ・ドーピングのキャパシティ・ディベロップメントの一環として、3か国のアスリート代表: Chen Yibing氏(中国、体操)、Lee Jeongmin氏(韓国、ノルディックスキー)、齋藤里香氏(日本、ウェイトリフティング)によるアスリートパネルも行った。「アンチ・ドーピングに係るアスリート権利章典」が導入されることに伴い、アスリート同士がクリーンなスポーツにいかに関わっていくべきなのか、各自の経験から共有、また各国の事情に合わせてユースのアスリート、一般の人たちに対する効果的なメッセージ発信の仕方について意見が交わされた。

DAY
03

SEARADOとJADAとのジョイントパートナーシップMTG

SEARADOとJADAとのアンチ・ドーピングのキャパシティ・ディベロップメントに関する覚書(MOU)に基づき、2021 Codeや各種の国際基準の遵守に向けたステップを確認するワークショップを開催し、SEARADOの8か国が参加した。

また、2019年に開催されるSEA Gamesでのアンチ・ドーピング活動に関するSEARADOとフィリピンNADO (Phi-NADO)とのMOU締結式も執り行われた。本MOUには、SEA GamesにおけるNADOのタスクの明確化、マニュアル化も含み、1大会に留まらないナレッジを継承する枠組みができた。

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REPORT

国際セミナー報告書
(英語版のみ)